諸鈍デイゴの持続的保全プロジェクトレポート 2022.3

株式会社木風は2017年から奄美諸島加計呂麻島にある町指定文化財諸鈍デイゴ並木の治療に携わっています。樹齢400年以上のデイゴも存在するこの並木が、これからも島の貴重な文化財として受け継がれていくために、デイゴや奄美産植物からオイルや有効成分を見つけ出し、地域参加型の管理を目指したプロジェクトを立ち上げました。

先日3月14日~17日、このプロジェクトを進めるため、諸鈍デイゴ並木の治療時期にあわせて、デイゴの葉とその他奄美産植物オイルの採取を行ってきました。

今回はこのプロジェクトで植物オイルの蒸留研究を担当しているお茶の水女子大学アフガニスタン留学生チームのHashiba Yaqubeeさんも同行しました。

採取前日は地元の植物に精通している亜蘭さんより採取可能な植物リストをいただき、詳細なアドバイスをいただきました。そして、当日は地元ガイドである海風舎の國宗さん案内のもと採取を行いました。

採取前日は地元の植物に精通している亜蘭さんより採取可能な植物リストをいただき、詳細なアドバイスをいただきました。そして、当日は地元ガイドである海風舎の國宗さん案内のもと採取を行いました。

採取場所は、加計呂麻島諸鈍デイゴ並木と、瀬戸内町蘇刈地区周辺です。

採取した植物は、デイゴ(Erythrina variegata)、ギンネム(Leucaena leucocephala)、バンシロウ(別名グアバ)(Psidium guajava L.)、シャリンバイ(Rhaphiolepis indica var. umbellata)、テリハノイバラ(Rosa luciae)、ゲッキツ(Murraya paniculata)在来種のミカン(地方名クサラ)(Citrus)、ハマサルトリイバラ(Smilax sebeana)です。どの植物も、ガイドの國宗さんに確認いただきながら、採取量が確保できるもの、増えすぎて困っているもの、活用されずにいるものなど、将来のことも考慮しながら採取しました。

クサラ

特に地方名「クサラ」と言われている柑橘は、採取した時の香りが爽やかでしたので、期待しているところです。クサラは集落付近でよくみられる柑橘樹木ですが、食用にしても美味しくないことからそのまま放置されているのだそうです。

また、デイゴの葉の半分はかけろま交流館内に併設されている「かけろまカフェ」にて乾燥していただき、乾燥してからもオイルの採取が可能なのか実験しています。

採取した植物は、現在お茶の水女子大にてアフガニスタン留学生チームが蒸留実験を担ってくれます。

5月はデイゴの花や他の樹木の花が咲き始めます。また新たな可能性を探るべく研究を続けていく予定です。


諸鈍デイゴの持続的保全プロジェクト 要約
A Sustainable Conservation Project for Shodon Deigo with an English Summary

※参考資料

弊社は、2017年より南西諸島の内薩南諸島南部に位置する奄美群島加計呂麻島の指定文化財諸鈍デイゴ並木の治療を行ってきました。

2017年から2020年までは特定離島ふるさとおこし推進事業において、弊社商品であるブレスパイプを活用した土壌改良や病害虫防除、施肥、老木のケアを実施してきました。また、2020年からは瀬戸内町立事業として病害虫防除を中心とした作業を継続しながら保全に取り組んでいます。

諸鈍デイゴ並木は推定樹齢300年以上の樹木が多く、島の歴史を象徴する貴重な財産であり、大事な観光資源でもあります。

しかし、かつては85本あったデイゴも人間による根の踏圧や老木化、病虫害で現在は65本にまで減少しました。

今後もデイゴ並木を維持するためには、地域を巻き込んだ形で継続的な保全活動を続けていくことが必要不可欠になります。

そのため、SDGsの理念に基づいた地域活性化につながる事業構築を視野に入れて、デイゴや奄美群島に自生する植物オイルの抽出と商品開発により乗り出すことにいたしました。 

デイゴやその他奄美を代表する植物の花・葉・実から植物オイルを抽出し、地域特産品とのコラボレーションを視野に入れながら、美容・健康業界への成分提供を行うことで、地元の雇用を生み出し、売上げ分の一部を保全活動にあてることを目指します。

昨年、関係者の協力を得ながら、試験的に当プロジェクトを稼働させるべく、諸鈍デイゴの花と葉を採取、一部乾燥し、オイル蒸留実験まで実施することができました。

乾燥については、諸鈍デイゴ並木の近隣に位置する加計呂麻島展示体験交流館に併設している「かけろまカフェ」にて、当カフェ所有の乾燥機でデイゴの花と葉を乾燥しました。

オイル抽出実験については、弊社社長とかねてより親交のあったお茶の水女子大学の森義仁薬学博士が当プロジェクトの主旨に賛同してくださり、同大学アフガニスタン留学生チームが抽出実験を行うことになりました。

当プロジェクトは産(木風)、学(お茶の水女子大学)、官(瀬戸内町)の連携事業として、今後もこの体制を維持しながら目的を達成するべく具体的に取り組んでいきます。

植物オイルの抽出が成功した際には、体験交流館内にて植物オイル生産コーナーを創設し、オイルの生産による雇用創出と観光誘致を図る計画を立てています。

Since 2017, we have been treating Shodon deigo trees, a designated cultural property of Kakeroma island.

From 2017 to 2020, in the specific remote island hometown revitalization promotion project, we have been implementing soil improvement, pest control, fertilization, and care for old trees using our product breath pipe. 

Many of the Shodon Deigo trees, which are over 300 years old, are a valuable asset that symbolizes the history of the island and an important tourist resource.

However, they have decreased from 85 to 65 due to root treading by humans, aging of trees, and pests.

In order to maintain the Deigo trees in the future, it is indispensable to do continuous activities involving the community.

Therefore, we have decided to embark on the product development and the extraction of plant oils that grow naturally in Amami Islands.

This is for business construction that will lead to regional revitalization based on the SDGs philosophy.

We aim to create local employment and use part of the sales for conservation activities.

by extracting plant oil from the flowers, leaves, and fruits of Deigo and other Amami-representing plants, and providing ingredients to the beauty and health industry while considering collaboration with local specialties.  

 Last year,we were able to collect the flowers and leaves of Shodon Deigo, partially dry them, and even carry out an oil distillation experiment with the cooperation of the people concerned.

Regarding drying, the flowers and leaves of Deigo were dried with the drying machine at the “Kakeroma Cafe” attached to the Kakeromajima Exhibition Experience Exchange Center located near the row of Shodon Deigo trees.

Regarding the oil extraction experiment, Dr. Yoshihito Mori of Ochanomizu University, who agreed with the purpose of this project, and the Afghanistan international student team of the same university conducted the extraction experiment. 

This project is a collaborative project between industry (Kofu), academia (Ochanomizu University), and government (Setouchi Town),and we will continue to work concretely to achieve the purpose.

When the extraction of vegetable oil is successful, we have a plan to establish a plant oil production corner in the experience exchange hall, in order to create employment and attract tourists by producing oil.

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