奄美・加計呂麻島での、デイゴ並木のピカスによる腐朽診断のつづきです。
【これまでの記事】
・ 加計呂麻島でデイゴ並木のピカス診断を行いました①(2018年5月)
デイゴはインド原産のマメ科の落葉高木。日本には江戸時代以前からあるそうです。
熱帯~亜熱帯の植物で、奄美大島は生育地のほぼ北限にあたります。
THE BOOMの「島唄」でも デイゴ~の花が咲き~♪ と登場しますね。
毎年5~6月、落葉した後、マメ科らしい蝶型の大きな花を枝先に咲かせます。
残念ながら上の写真は花芽、まだつぼみになりかけの頃。
今回の現場では咲いていませんでしたが、同じ島内の島尾敏雄文学碑公園の近くでは
少し咲き始めていました。オレンジがかった鮮やかな朱色の花です。
島尾敏雄は第二次世界大戦末期に特攻隊の隊長として赴任し、作家としても有名だそうです。
戦後も島の小学校教師だった女性と結婚してこの島に残ったとか。
昨年、満島ひかり, 永山絢斗主演で公開された映画「海辺の生と死」に描かれています。
ちなみに、デイゴに似た名前のアメリカデイゴは南アメリカ原産でより赤味の強い花が咲きます。
さて今回、調査した諸鈍のデイゴ並木。
ピカスによる診断は、弊社が国内で初めて導入した樹木の腐朽診断です。
音の速さの違いを利用して、内部に空洞がないか、腐って柔らかくなった部分がないか
その樹木を伐採することなく調べることができます。いわば樹木のCTスキャン!
街路樹や個人邸の庭木など、弊社ではこれまで1000本以上の診断を行ってきました。
(詳しくはこちら)
日本でピカスといえば 株式会社木風 というくらい、ピカスの経験豊富な社長をも・・
「このデイゴは過去最大の大きさ!」
と言わしめるくらいの巨樹が相次ぎました(^^;)
はい、みずほ社長がどこかに隠れています。探してみてください。
このデイゴの樹齢はおそらく300~400年くらい。一番太い株立ちの木です。
平均なサイズでも下の写真のような感じです。
ピカスによる診断の際は、調査断面の幹の形状を測量するのですが、
今回はとにかくそれが一番の難題でした。
で、こんな感じで地下足袋でよじ登り、オナゴ三人での作業となりました。
調査を手伝ってくれた地元業者の前田亜蘭さん、NPOじゅもくい女子会の佐藤奈美さん、
本当にありがとうございます!!涙
(亜蘭さんは長年デイゴを治療していた地元樹木医の故・前田先生の娘さんです)
調査の結果、比較的健全な木も多いものの、なかには亀裂や腐朽の進んだものもありました。
(診断カルテの一部。黄色の線が亀裂、青・紫が腐朽の進んだ部分です)
調査報告では、土壌環境の改善や枯れ枝の除去、踏圧を防ぐ措置などをご提案させていただきました。
歴史あるデイゴ並木が元気を取り戻し、多くの花を咲かせられるよう
弊社でもひきつづき見守っていきたいと思っております!
この度は、ピカスによる腐朽診断をご依頼いただきありがとうございました。
地元の皆さまはじめ、ご協力いただいた方々に心より御礼を申し上げます。
(株)木風 アシスタント 前川恵美子