樹木医は文字通り、木のお医者さんなので、仕事としては診断と治療ということになります。しかし、人間の医学でもよく言われていますが、病気にならないようにする予防医学が大事です。
人と共に生きている樹木は多くの場合、樹木にとって望ましい環境で生育しているわけではありません。根が十分に張れるスペースがない、土の状態が悪い、日当たりが悪い、人の都合で枝が切られる、などかなり過酷な状況に置かれていることも多いです。
樹木も人間と同じで、弱ると病気になります。病気になるから弱るわけではありません。
病気になったら薬を使うというのも人間と同じですが、殺虫剤や殺菌剤はあくまでそこにいる病害虫を殺すだけです。樹木にも免疫力があります。免疫力を高めるには環境改善が欠かせません。それが病気を予防することになります。
樹木医として、悪くなった樹木を治すだけでなく、悪くならないようにするにはどういう管理をすればよいかを提案していきたいと思っています。