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加計呂麻島のデイゴ☆ピカス診断2【基礎調査編】

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加計呂麻島のデイゴの診断にあたり、まずは図面や基本的なカルテが必要です。
ところが私が関わるまでに正確な資料がありませんでした。

ピカスで腐朽診断を行う場合、まずは外観診断、または簡易診断でその樹を精密に診断するかを選択しなければなりません。
また、今後治療や管理を行う場合も樹木番号や台帳が無ければ計画的な業務が行えないので、私たちはまずはその基本的な調査から始めることにしました。

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地元の故前田樹木医のお嬢さんと以前からデイゴに関わっていた方たちの協力を得て、樹高などの基礎データも計測します。
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このデイゴは、デイゴヒメコバチによる被害で葉の食害が著しいのですが、ヒメコバチ科のハチの一種でアフリカが本来の生息地ではないかとされ、熱帯地方を中心に被害が広がっています。
植物に寄生し虫こぶを形成するヒメコバチです。

しかし、最近の研究では、ヒメコバチが直接樹木を衰弱させるのではなく、寄生している菌が通水阻害を生じさせているという報告があります。
虫の対策には今のところネオニコチノイド形の殺虫剤の散布しか手が無いのですが、殺菌にも注意しないといけないでしょう。
樹幹注入剤が有効とされてますが、老木にはリスクも大きく、虫自体が枯死させているのではないなら、その費用対効果は疑問が出るところです。
そして殺虫剤は近隣住民の方にも好まれないし、薬剤散布だけでは対処療法になるので抜本的な処置が必要だと思います。

この諸鈍湾のデイゴ並木は沖縄からの船が奄美へ訪れる時の目印にする為に琉球王朝時代に植えられた、という説があり、歴史的にも大切な文化財です。

瀬戸内町で町の歴史に詳しい青年の話を聞いたところ、諸鈍湾にはマーラン船という18世紀初頭に中国大陸から伝わった、真っ赤な2つの帆が特徴の交易船を作る施設もあったとかで、植物学以外にも雄大な歴史を感じられる土地です。

そう言えばマーラン船の真っ赤な帆と、デイゴの花の色はおんなじ⁉︎

これって偶然かな?

なんだかとてもミステリアスで歴史のロマンを掻き立てられる話です。

この時の調査は2月で本州と比べれば暖かく流石南国と言った気候でした。
周囲の山にはカンヒザクラの鮮やかなピンクが散りばめられています。
地元の人はソメイヨシノのふわっとした色合いが憧れのようだが、私のようなおのぼりさん?はこのカンヒザクラは珍しく異国情緒を醸し出し心が躍ります。
通常の桜前線と違って南下するのも珍しい特徴です。
桜開花に必要なのは「休眠打破」。一度寒さを経験しないと桜は咲いてくれない。その為気温の下がりやすい北から開花するのです。

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すでに春の気配を感じさせる2月の加計呂麻島の基礎調査は無事に終了。

さて、この後はデイゴのピカス腐朽診断。3に続きます。